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涼しげなマドラスチェック柄が印象的な新ブランド〈miiThaaii(ミーターイー)〉。このマドラスチェックの生地、実は南インドの男性の日常着「ルンギ」に用いられているものなんです。EDIT LIFEでは現在〈miiThaaii〉のお披露目イベントを開催していますが(~24日まで)、WEBではブランドの生みの親であり、人気雑貨ブランド〈fog linen work〉の代表でもある関根由美子さんに伺ったブランド誕生のストーリーをお届けします。〈miiThaaii〉のアイテムがつくられている南インド・タミル地方のいきいきとした写真と共にお楽しみください。


まずは〈miiThaaii〉のアイテム紹介から

「ルンギ」とは、南インドの男性が腰に巻いてスカートのように着用する日常着。〈miiThaaii〉のアイテムは、ルンギと同じコットン生地で作られています。

肌触りのいいこの生地は、薄手で風通しがよく、洗濯後の乾きが早いことも魅力。〈miiThaaii〉で現在展開しているのは、ふんわりとギャザーの入ったスカート、ファッションのアクセントになる小ぶりなバッグストール、気分で柄を使い分けても楽しいハンカチピローケース。さまざまなバリエーションのマドラスチェックがあるので、お気に入りの1枚を見つける楽しみがあり、プチプライスなことも嬉しいポイントです。

ルンギのマドラスチェックにひと目惚れ

〈miiThaaii〉のアイテムを紹介したところで、関根由美子さんがどのようにルンギの生地と出会い、ブランドが誕生したのかについてお話を伺って行きましょう。関根さんがルンギと出会ったのは、初めてインドを訪れた約10年前のことでした。

関根さん:学生時代からプレッピースタイルが好きで、そのアイコン的な柄・マドラスチェックも大好きだったんです。インドでルンギを身につけた男性を見て生地にひと目惚れして、マーケットで生地を買えるだけ買って日本に持ち帰りました。

持ち帰ったルンギの生地で「何かできないかな」と考えてはみたものの、〈fog linen work〉で扱っているのはリネンのアイテム。ルンギはコットンの生地なので、両方を同時に手がけるのは難しいと感じた当時の関根さんは、ルンギの生地を使ったものづくりを断念。しばらくはデザインの参考資料として、生地を時々取り出しては眺める日々を送っていました。

誰もやらないならやってみようと生地の販売を開始

関根さん:ルンギと出会ってから随分と時間が経った昨年の夏頃、偶然にも周りに新しい事業を始めようと考えている友人が数名いたんです。友人たちそれぞれに「それならルンギを使ったビジネスをしてみたら?」と提案してみたんですが、みんな歯切れの悪い返事で(笑)。でも「こうしたら? ああしたら?」と話しているうちに、自分の中ではどんどんルンギを使ったブランドのイメージが膨らんできたんですよね。もっとたくさんの生地を見れば、もしかすると彼らのうちのひとりがイメージを具現化してくれるんじゃないかという淡い期待を持ちながら、ひとまずルンギの生地を1000枚、インドから取り寄せてみました。

ビニールに詰められた1000枚の生地を袋から取り出し、1枚1枚洗濯して干すという作業をひとりでこなしているうちに、生地に対する愛着がどんどん湧いてきたという関根さん。誰もやらないなら自分で小さく始めてみようと、まずは下北沢にある〈fog linen work〉のお店に来てくれるお客さまに生地の販売を始めます。

関根さん:だけど生地だけでは使い道が思い浮かばないみたいで、買ってくださったのはほんの数名だけ。ほとんどの方が「この生地でアイテムを作るときには教えてください」と仰るので、インドにある生地の販売元に縫製をお願いできる工場はないかと聞いたところ、南インドのタミル地方にある工場を紹介してくださったんです。

猛スピードでカタチになっていく〈miiThaaii〉

インドから1000枚の生地を取り寄せてからというもの、ブランドのカタチは猛スピードで形成されていきます。まずはブランドの名前。“miiThaaii”とはヒンドゥー語で“お菓子”の意味ですが、これは関根さんが手がけるメインの事業〈fog linen work〉と並行して、楽しみながらできるものづくりにしたいという気持ちを込めて名付けられたもの。スカートやパンツ、ワンピースなどの型は実際に自分で縫ってみたり、パタンナーさんにお願いして決めていきました。

また、タミル地方の工場とのメールでの打ち合わせやサンプルのやり取りも進みます。アイテムのイメージを現地のスタッフに伝えるのも苦労があるそうですが、何より大変なのは納期が読めないこと。実は今回のお披露目イベントでも間に合わなかったサンプルがありましたが、それでも関根さんは根気強く、納得のいくアイテムが完成するまで現地とのコミュニケーションを重ねます。

今年の2月には、友人のカメラマン・ジェニーさんと共に、実際にルンギの布が織られている工場や縫製工場などを訪れた関根さん。このときに撮られた写真は、お披露目イベントやONLINE STOREで〈miiThaaii〉のアイテムを購入してくださった方にお渡ししているリトルプレスに収められています(リトルプレスの配布はなくなり次第終了)。

関根さん:これまでも何度か北インドには行ったことがあったんですが、南インドに行くのは初めてでした。空港から工場のある街に着くまでは「リゾートに来たみたいだね!」とジェニーとウキウキしていたんですが、着いたら外国人がひとりもいないような田舎で、ホテルもレストランも外国人が使うような場所がなかったんです。現地の人に混ざって手でご飯を食べたり、裸足で過ごしたり。インドには慣れているつもりでしたが、これまでの旅は表面的なものだったんだなって思うような、どっぷりインド体験をしましたね。

リトルプレス内で〈miiThaaii〉のアイテムを着用しているのは現地の方々。普段はこの生地をルンギとしてしか使用しないので、みなさん面白がって集まってくれ、喜んでモデルを務めてくれたそうです。

関根さん:インドの女性たちはサリーのようにキラキラした服がお好きなようで、「もっと豪華にしたほうがいいわよ」とアドバイスをくれる方もいました(笑)。カルチャーショックはたくさんあったけど、楽しい旅でしたね。


初めてルンギと出会ってから密かにあたためていた関根さんの想いがようやくカタチになった〈miiThaaii〉。「いつも思いつきばかりで、行き当たりばったりなんです(笑)」とはにかみながら話してくれた関根さんですが、ルンギの生地をどんなカタチで生かすのかをずっと考え続けてこられたこと、実際に現地に赴いてコミュニケーションをとり、クオリティに納得がいくまで根気強く現地の方に向き合われていることなど、プロとしてのスタイルとこだわりが伝わってきました。関根さんの愛情がたっぷり注がれた新ブランドの、これからの展開が楽しみです。

EDIT LIFEのONLINE STOREでは、〈miiThaaii〉のスカートやハンカチ、バッグなどの販売を開始したので、お披露目イベントに来られなかった方はこちらからチェックしてみてください。涼しげなマドラスチェック柄が、夏をもっと楽しくしてくれるはずです。

(写真:jenny Hallengen)

〈miiThaaii〉のアイテム一覧




関根由美子(せきね・ゆみこ)

岩手県盛岡市出身。リネンのアイテムやインテリア雑貨を扱うブランド〈fog linen work〉オーナー。2016年の春に南インドの男性の日常着・ルンギの生地で普段使いのアイテムを展開する〈miiThaaii〉を立ち上げる。

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