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DRESSSEN〉は、ファッション業界を経てフードコーディネーターに転身した後藤順一さんが、2015年にスタートさせたエプロン専門のブランド。“let’s change an apron”をコンセプトに、身につけるのが楽しくなるようなファッション性の高いエプロンを提案しています。後藤さんとは古くからの友人でもあるブランディングディレクター福田春美さんを聞き手に、〈DRESSSEN〉の誕生秘話や今後の展開について語っていただきました。


ファッション業界暦22年を経て、
フードコーディネーターの道へ。

福田春美さん:後藤くん、お久しぶりです! 長年ファッション業界にいた後藤くんがフードコーディネーターになって、しかもエプロン専門ブランドを立ち上げたと聞いたときには驚きました。そもそもなぜファッションからフードの世界に転身したんですか?

後藤順一さん:単純なんですが、ずっと食が趣味だったんですよ。ファッションの仕事をしていた頃から、休みの日には気になるおいしいものを食べ歩いていて。結局ファッションの世界には22年いたんですが、20年ってひとつの区切りじゃないですか。20年でファッションを極めたとは全く思っていませんが、次の20年は食をテーマにやっていきたいなと思ったんです。

福田さん:確かに20年は大きな区切りですもんね。フードコーディネーターにもいろんな仕事があると思うんだけど、後藤くんはどんなお仕事をされているんですか?

後藤さん:仰る通り、ひと言でフードコーディネーターと言っても、60種類くらい仕事があるんですよ。たとえば写真を撮るのも、映画やドラマでご飯を作るのも、飲食店に対して食器や家具を選ぶのもフードコーディネーターの仕事。ただ、全部をひとりのフードコーディネーターが請負うことは少なくて、チームを組んで動くことが多いんです。僕の場合はメニューの名前を考えたり、料理を美しく盛りつけるのが好きだったので、店舗の設計やメニュー開発は別の方にお願いするようにしています。

福田さん:なるほど。後藤くんの場合はディレクションに近いお仕事なんですね。

後藤さん:はい。最近では「CHOPSPOON DELI&KITCHEN」というアジアンデリの食器選びや盛りつけを担当させていただきました。でも仕事のバランスで言うと、フードコーディネーターの仕事よりエプロンブランドのほうがウェイトが大きいですね。

バイヤー時代からコレクションをしていて、
欲しいエプロンがなくなってしまった。

福田さん:〈DRESSSEN〉は昨年立ち上がったばかりなのに大人気だよね。エプロンのブランドを立ち上げようと思ったのはなぜですか?

後藤さん:元々は古着のバイヤーをしていたので、海外で見つけた可愛いエプロンをコレクションしていたんです。フードコーディネーターの資格をとるために学校に通っていたとき、そのコレクションをとっかえひっかえして調理実習に着けていったら、先生と同級生に毎回褒められて。人間、褒められるといい気分になるもので……(笑)。

福田さん:うん、よくわかります(笑)。

後藤さん:そうなんです(笑)。もっと周りと差をつけたいと思ってセレクトショップや百貨店を見てまわりましたが、お金を払ってまで欲しくなるようなエプロンが見つからなくて。それならこれまでの経験を生かして、自分で作ろうと決めたんです。

福田さん:「必要だから作った」から商品に力があるんですね。作っている本人が欲しくて、その人なりの想いが入って作ったものには説得力があると思います。〈DRESSSEN〉のエプロンを見たときに、「今までなかったけど、こういうエプロンが欲しかった!」って強く思ったもの。商品力だと思います。

後藤さん:春美さんにそんなことを言っていただけるなんて! 光栄です!

福田さん:いえいえ(笑)。商品が完成するまでにはどういう流れがあったんですか?

日本の老舗工場とともに作ったエプロンは、
人気俳優のドラマ衣装としても選ばれた。

後藤さん:フードコーディネーターとして独立したのが2014年の8月です。もちろん独立したての頃は職もない状態ですが、すぐに明治創業の老舗布製品工場に飛び込みでエプロンを作ってくれないかとお願いしたんです。最初は全く聞き入れてもらえなかったんですけど、交渉を重ねてようやく頷いてもらって、実際にサンプルが完成したのが11月末ですね。

福田さん:ちなみにその老舗工場にお願いしようと思ったのはなぜ?

後藤さん:正直、直感なんです。工場からも「なぜうちに?」と未だに聞かれるくらい。でも始めからメイドインジャパンにこだわりたかったことと、その工場は手ぬぐいやお祭りのときに着る法被とか日本の伝統的なものを作っていたんです。それで「ここだ!」って。

福田さん:直感が商品完成に結びついたんですね、すごい。

後藤さん:はい。最初は5柄を作ったんですが、1柄の最小ロットが50枚だったので全部で250枚のエプロンが自宅に届きました。ところが売るあてなんかないし、そもそも見せる人もいない。それでも少しずつ広めていこうとがんばっていた矢先、以前から仲良くさせていただいていたファッションデザイナーさんが、2015年の2月に「展示会があるからいくつか置いてみるといいよ」と声をかけてくださったんです。これが大きな転機になって今に至るという感じですね。ドラマで人気俳優さんの衣装として使っていただいたことも大きかったと思います。

福田さん:後藤くんの人柄があってこその嬉しい展開ですね。〈DRESSSEN〉は胸元のメッセージが印象的だけど、「YES」や「LOCAL」という言葉のチョイスは、それこそ古着のTシャツを散々見てこないと思いつかない言葉だと思います。センスが素晴らしい!

ポジティブなメッセージで目指すのは、
エプロンから生まれるコミュニケーション。

後藤さん:ありがとうございます。ポジティブな言葉を使おうと決めていて、これからも増やしたいと思ってるんですよ。あと、今後はシーズンものを増やしたいと思っているんです。たとえばカフェに行って「梅雨もウエルカム!」みたいな言葉が書かれているエプロンをつけた店員さんがいたら、そこからお客様との交流も広がりそうじゃないですか。いつかは12ヶ月分のメッセージの入ったエプロンを作りたいですね。

福田さん:エプロンから生まれるコミュニケーション、いいですね! 手ぬぐいとかミトンとか、食まわりの布製品は作らないの? いつかぜひ作ってほしいです。

後藤さん:そういうものも視野には入れています。ハンドタオルや手ぬぐい、道具を入れるバッグも作りたいですね。でも〈DRESSSEN〉はエプロン専門ブランドであり続けたいので、実現するときには別レーベルを立ち上げようかなって。〈DRESSSEN〉でも先ほどお話したシーズンもののメッセージのほかに、海外のヴィンテージ生地を仕入れて日本で仕立てるエプロンも作ってみたいですし。エプロンだけでもやりたいことがまだまだあるんです。

福田さん:ヴィンテージ生地のエプロンも素敵! これからの展開を楽しみにしています!


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後藤順一(ごとう・じゅんいち)

古着のバイヤーを経て、2014年にフードコーディネーターに転身。2015年にエプロン専門ブランド〈DRESSSEN〉を立ち上げる。老舗布製品工場で作られる確かなクオリティと、「YES」「COFFEE IS ALWAYS GOOD IDEA」など、シンプルでポジティブなメッセージが人気を集めている。今期の新作はNAVYの「YES」、「WELCOME」、「LOVE’MEAT’TENDER」など。

 

福田春美(ふくだ・はるみ)

セレク卜ショップのバイヤー、プレスを経て、アパレル企業のクリ工イティブディレクターを歴任。現在はEDIT LIFEのほか、World のライフスタイル・ストア「Corte Largo」のストア&クリエイティブディレクションを担当。また愛媛のデリカテッセンなどのストアディレクション、香りとホームケアブランド「a day」の立ち上げなどを手がけている。

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