EDIT LIFEの楽食住展でお世話になった香菜子さんが、著書『ハレとケ 十二ヶ月、私の季節の楽しみ方』を発売されました。モデル、イラストレーター、デザイナーであり、ふたりの子供の母でもある香菜子さんは、ライフスタイル系の雑誌に登場することも多く、ご自身の生活を綴った著書も人気です。そんな香菜子さんの新作のタイトルが「ハレとケ」なのですが、この意味、ご存知ですか?
香菜子さんの最新著書『ハレとケ』は8月7日に販売を開始。
ハレは晴れの日、ケは褻の日。
行事のある日と、日常がテーマ。
著書の「はじめに」にもあるのですが、「ハレとケ」とは漢字で書くと「晴れと褻」で、「晴れ」は行事の日、「褻」は日常のこと。ページをめくると、香菜子さんの一年間の生活が、一ヶ月ごと、季節ごとに、丁寧に綴られています。
8月発売なので、本は「秋」からスタート。
一ヶ月ごとに「ハレとケ」をテーマに香菜子さんの文章が綴られている。
例えば秋には中秋の名月を言い訳に(笑)、子供と一緒にちょっとだけ夜更かしを楽しんだり、また別の日には、深夜に思い立ってキッチンでひとり栗の甘露煮を作ったり。
著書の中には香菜子さんの手作り料理のレシピも。
読者が実際に生活に取り入れられるようにしている構成も、香菜子さんらしさ。
冬には、「クリスマスの飾り付けは十二月から」というルールを作って気分を盛り上げたり、年末には大掃除ではなく「中掃除」をこまめに行ったり。
カレンダーをめくるような感覚でこれから到来する季節のことを考えると、楽しい気持ちに。
春には、子供時代を思い出しながら娘のために雛人形を並べたり、太陽が気持ちのよい季節になると、セメントで植木鉢を作りながら「男前な庭」の手入れをしたり……。
季節ごと、一ヶ月ごとに、コーナー分けがされている構成。
いつも自分らしくいるために、
ちょっとした工夫を楽しむ。
本を読んでいて感じるのは、ハレの日もケの日も、香菜子さんは、生活が楽しくなるちょっとした工夫をしていること。行事ごとだって、その意味を理解したうえで、自分が心地よくいられるスタイルにアレンジすればいい。普段の日は、その日が楽しくなるための寄り道を加えればいい。そんな風に心がけることで日々の生活はより豊かになるのだな、と、ヒントをもらえます。
季節ごとの目次には、香菜子さんのイラストで野菜が描かれている。その季節の旬な食材を楽しむのも、生活のコツ。
そして、もうひとつ、香菜子さんの生活から学びたいのは、決して自分に無理を課さないこと。それは、料理も掃除も「やらなきゃいけない」と思うと、それが重荷になって楽しめなくなることを知っているから。「明日できることは明日でいいのです」と著書の中にもありますが、自分の心とカラダに耳を傾けながら、スイッチのオンオフをすることが大事なのだと教えてくれます。
香菜子さんの新しい事務所。
机にはMacintoshのPC、壁にはご自身がイラストとデザインを手掛けたLOTA PRODUCTのポスター。
自分で自分に無理はしない。
なんとかなるよ、の軽い心を。
以前、香菜子さんが手掛けたLOTA PRODUCTのポスターについて話を聞いているときに、こんな話をしてくれました。母親になると家事や子育てだけでなく、学校のPTA会、ママ友との付き合いなど、やることがたくさんある。香菜子さんのまわりにもそれに疲れてしまう友人がいて、少しでも気が楽になってくれればとポスターを作ったそうです。「星に願いをかけて。なるようになるさ、むずかしく考えなくていいよ」という想いを込めて、ポスターには星が描かれています。また、イタリアの「よく使う井戸の水はうまい」という言葉から「常に動いていると気持ちも新鮮になって、いい流れが出てくるよ」というメッセージを込めたポスターも。香菜子さん自身も難しく考えるのが苦手で、「なんとかなるよ」と思うようにしているそうです。
LOTA PRODUCTのポスターは、香菜子さんがひとつづつ手で梱包をしている。
ベーシックを大切に、無理はしない。
その先に、豊かな生活がある。
では、どうして香菜子さんはこのような「軽やかな考え方」ができるようになったのでしょうか。
上京してモデルにスカウトされた頃は少しぽっちゃりしていたという香菜子さん。美大で課題も忙しい中、ダイエットをするために食事をあまりとらなかったそうです。そんな生活のため、大学一年のときに倒れてしまって入院を経験しました。我慢は美徳だと考えていた19歳の香菜子さんは、「倒れてしまったら何にもならないや」と悟って「楽しくやった方がいいじゃない」と、初めて思えたそうです。
その4年後に、香菜子さんは母になります。
いまでも大事にしていることは、食事を3食とること、睡眠は6時間とること。
「Walk」、「Simple」、「Let’s share」、「Balance.」。
忙しい子育ての中でこそ、心に留めておきたいマインドが書かれたバッジも、香菜子さんの作品。
トートバッグに付けてもかわいい。
そして、難しく考えないこと。例えば、美術館に行くのでも、以前は「作者の意図を理解するまでは美術館を出ない!」スタイルだったそうですが、最近は「好きと嫌いでいいや」と思えるようになったと言います。
生活のベーシックなことを大切に、自分に無理を課さないからこそ、香菜子さんの生活は輝いて見えるのかもしれません。
香菜子さんの著書『ハレとケ 十二ヶ月、私の季節の楽しみ方』には、そんな風に生活をラクにしてくれるヒントがたくさん書かれているので、ぜひ、読んでみてください(EDIT LIFEでは、予約限定で香菜子さんのサイン本も入荷予定)。またLOTA PRODUCTのポスターを生活のそばに置くと、忙しくなり過ぎている自分に「はっ」と気付くことができるかしれません。きっと、昨日までよりも自然体な自分が見つけられると思います。
そして8月12日から24日(18日はお休み)には、『ハレとケ 十二ヶ月私の季節の楽しみ方』の出版を記念して、伊勢丹新宿店本館4階ライフ&スタイルにてイベント「WELL-BEING STYLE by香菜子~ハレとケ~」も開催。15日には、香菜子さんが1日店長を務めます。fog linen workやFLW、himie、手式、a day、波佐見焼の商品など、香菜子さんが、日頃、大切に着ている洋服のブランドや雑貨などが集まるので、この機会に、お買い物をぜひ楽しんでみてください。
またEDIT LIFEで開催された「香菜子と春美の楽食住展」で、香菜子さんとブランドディレクターの福田春美さんがセレクトした商品は、引き続きEDIT LIFEのオンラインショップで購入が可能ですので、都内でのイベントに行くのが難しい方は、そちらもお楽しみください。
*サイン入りの『ハレとケ 十二ヶ月私の季節の楽しみ方』は、発送が遅れる可能性があります。ご了承ください)。