自分にとっての居心地のいい部屋とは、好きなものがそばにある部屋。デザインはもちろんですが、プロダクトの裏側にあるストーリーにも注目すると、インテリアがよりたのしくなると思います。
シャンパンコルクをモチーフにした、
サスティナブルなコルクスツール。
ワインコルクをアップサイクルして作られたスツールは、「TOKYO CORK PROJECT」という団体によって作られたもの。
もともと飲食店で働いていた代表の北村真吾さんが、毎日ワインコルクを捨てている状況に「資源がもったいない」と思ったことがプロジェクトのはじまり。一念発起した彼は前職を辞めて飲食店を一軒一軒回って「コルクを回収させてください」とお願いしました。最初は断られることも多かったそうですが、いまでは日本全国約720店舗から、彼のもとにコルクが届きます。もしもレストランに行ってコルクがたまっている木箱を見たら、そのお店は、彼のプロジェクトに賛同しているサスティナブルなお店です。
回収されたコルクは、その後、洗浄、粉砕、圧縮、カットされて、プロダクトに。シャンパンコルクをモチーフにしたデザインと、コルクの柔らかな質感、そして冬でもお尻が冷たくならない点が魅力です。運送費や行程にも予算がかかるので3万8000円という価格ですが、デザイナーズ家具ほど高くはないし、彼が最初に一軒一軒お店を回って交渉した経緯と、サスティナブルな社会のために行っている活動を考えると、とても正しい価格なのではないでしょうか。彼が事業を始めて4年。軌道に乗るのはもう少し先かもしれませんが、全国の人がペットボトルと同じ感覚でワインコルクをリサイクルする日がくると素晴らしいのにな、と思っています。
手頃なアンティークアイテムで、
部屋に個性を演出する。
今回、買い物と仕入れをかねていくつかのブランドを回ったのですが、PUEBCOで「在庫はそれだけです」と言われて思わず仕入れたのが、アンティークの鉄製スーツケースと、同じくアンティークの窓を使ったミラーです。
「ストーリーのあるアイテム」という点では、アンティーク、ビンテージの商品も、それまでに使われて来た人との歴史を持っています。もちろんその歴史を知ることは難しいのですが、風合いを楽しむのも大人のたしなみかもしれません。
スーツケースの方はかなり年季が入っていて一部へこんでいるのですが、逆にそれがいい味になっています。どんな人が使っていたのかを想像をしながら、何を入れるかを考えるのも楽しいのではないでしょうか。撮影をして思ったのは、2段並べるとより雑然とした男っぽさが出るのと、蓋をしめたらソファー横のモノ置きとしてもいいサイズです。蓋が少しデコボコしていますがマグカップを置いても中身が溢れることなく使用できました。
アンティークのミラーは、もともとは海外の工場で使われていた窓枠を鏡に加工したもの。鏡が3段の背が高いモデルは既に完売している人気シリーズで、この2段のものも最後の一点でした。アンティークボックスを二段並べて、その上にミラーを置くと丁度良い高さです。もちろん壁に掛けても様になると思います。
スーツケースもミラーも値段が手頃な一点ものなので、気に入った方は、お早めにどうぞ。
植物と鉢、両方にこだわりを。
水道管×サボテンの、プラント作品。
「はじめて植物を買うなら、世話がかからないサボテンや多肉植物がいい」とよく言われますが、せっかく気に入った植物を部屋に置くなら鉢にもこだわりを持ちたいもの。アンティークの缶を探したり、DIYでセメン鉢を作るのも楽しいですが、仕事が忙しいとそこまで手が回らないのが現実です。
水道管をカットして、そこにサボテンを植える。この作品と出会ったのは約2年前。静岡で内装系の仕事をしている馬場大輔さんが、付き合いのあるお店だけで作品展示しながら販売しているものです。思わず一目惚れして、財布と相談しながら購入したのを覚えています。その後、共通の知り合いがいることがわかり、EDIT LIFEをオープンする際にうちでも販売させていただけることになりました。
毎日水を使っているのに水道管を目にすることってあまりないですよね。男らしいインダストリアルなデザインはもちろんですが、日々の生活の裏側にある水道管で、太陽の光りが必要な植物を育てる点に、男心をくすぐられました。
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